カラオケの採点でしゃくりが多いと悩むあなたは、「自分は歌が下手なのではないか」「しゃくりを直したい」という強い悩みを抱えているはずです。
この記事は、しゃくりが多いことがなぜ「下手」と評価されがちなのかを科学的に解き明かし、その原因と具体的な改善策を、カラオケとボイストレーニングのプロの視点から徹底解説します。この記事を読むことで、あなたの歌唱力を飛躍的に向上させるためのロードマップが手に入ります。

なぜ「しゃくりが多い=カラオケが下手」と評価されてしまうのか?【原因と評価基準】
「カラオケでしゃくりが多いとどうなる?」という疑問は、歌唱力の評価に直結します。結論から言えば、しゃくりの回数が極端に多すぎると聞き手にとって「くどい」と感じさせたり、音程が不安定だと判定されたりするため、「下手」という評価につながる可能性があります。
カラオケ採点における「しゃくり」の回数と評価の関係
ここで、専門的な見解から、読者の皆さんが抱える最大の疑問にお答えします。「カラオケの採点で出るしゃくりとはいったい何なのか、これが出過ぎるといいのか悪いのか、加点にはなるけど意識してなくても出てしまうのはだめなのか」という疑問です。
カラオケの採点システムにおいて、しゃくりは「表現力」の一つとして加点対象となる立派なテクニックです。しかし、このテクニックが裏目に出ることがあります。
しゃくりを入れすぎると、以下の理由で採点上の減点対象になるケースがあるため注意が必要です。
- 回数が多く「音程が取れていない」と判定された場合:しゃくりは、一時的に本来の音程から外れる技術であるため、多用すると機械に音程が不安定だと認識されることがあります。
- しゃくりが深すぎたり早すぎたりして音程を外したと認識された場合:技術的なミスと判断されることで、減点につながります。
しゃくりは、ある程度の回数であれば問題ありませんが、多用しすぎるとくどく聞こえるリスクや、採点で減点されるリスクがあることを理解しておく必要があります。
「しゃくり50回」は本当に多すぎるのか?プロの歌唱と比較した適正回数とは
一部のユーザーが「しゃくり40回とか普通に出る」と悩む一方で、プロの楽曲でも「宇多田ヒカルさんの『光』は曲中で50回以上のしゃくりが使われています」「レミオロメンの『粉雪』はしゃくりが50回以上使われている」という記述があります。また、GLAYの「HOWEVER」は楽曲中で60回ほどしゃくりが使われています。
この情報から、「しゃくり50回」という回数自体が必ずしも「下手」の絶対的な基準ではないことがわかります。
重要なのは、そのしゃくりが意図的で、曲の表現に寄与しているかどうかです。
- 採点攻略の目安:カラオケの機種によって異なりますが、しゃくりは1曲につき15回から20回程度までを目安にすると良いとされています。これは、点数が上がらない回数を超えて多用しても、減点リスクが高まるためです。
しゃくりは、サビやサビの前後、感情を込めて歌いたい部分などに絞って使うことが推奨されます。
しゃくりと並んで「下手」と判断されがちな歌い方の特徴3選
しゃくりが多いことだけでなく、以下のような特徴も複合的に「歌が下手」という印象を与えます。これらは、しゃくりが多い原因とも関連しています。
- 音程が不安定:音程がずれたり、高い音や低い音が出なかったりする。しゃくりが多い人の原因の一つに、「音程を探りながら歌うクセ」があり、これが音程の不安定さにもつながります。
- リズム感がない:曲のリズムやテンポが取れず、伴奏とずれてしまう。特にテンポが早い楽曲で音程の切り替わりが激しいと、無理やり音を戻そうとして意図せずしゃくりが出てしまう場合があります。
- 声量が安定しない、または小さすぎる:声が小さくて聞こえにくい、または声量が大きくなったり小さくなったりして安定しない。これは「喉音痴」という運動性の問題が原因で、発声のバランスが悪い状態でもしゃくりが入りやすくなることがあります。

「カラオケの暗黙のルール」から見る、自己満足な歌い方が避けるべき理由
カラオケの評価は、採点だけでなく、同席者が気持ちよく楽しめるかというマナー面も関わってきます。しゃくりを多用する歌い方は、しばしば「自己満足」と捉えられがちです。
カラオケの暗黙のルールには、「人の歌を最後まで聞く」「他人の歌い方や点数について批判しない」といった、相互の配慮に関する記述があります。
過剰なしゃくりは、聞いている人に「くどい」「聞き苦しい」という印象を与え、結果として場の空気を乱すことになりかねません。テクニックは、自分ではなく「歌を聴かせる」ために使う意識が重要です。
しゃくりが多くなりすぎる根本的な原因とは?【自己診断チェック】
無意識のうちにしゃくりが多くカウントされてしまう場合、それはテクニックではなく、歌い方の癖や技術的なミスが原因である可能性が高いです。
無意識にしゃくりが多くなる「歌い方の癖」の正体
意図せずにしゃくりが多くなる主な原因は、以下の2つに集約されます。
- 音程を探りながら歌うクセがついている:正しい音程が頭の中で曖昧なため、「これくらいの音かな」と探りながら歌っている状態です。この「探る」動作が、本来の音より低い音から音程をずり上げる、つまりしゃくりとして認識されてしまいます。
- しゃくりが癖として定着している:正しい発声方法を知らないまま、我流で歌ってきた結果、しゃくりが体に染み付いてしまっている状態です。この癖は、頭で理解していても歌声をコントロールするのが非常に難しい場合があります。
しゃくりを過剰に入れてしまう「音程・リズム感」の誤認
特に、歌い出しの音程を合わせるのが苦手な人は、しゃくりが多くなる傾向があります。
プロでなくても、歌い出しで半音や一音がズレてしまうのはよくあることです。
自分の音程がズレていることを自覚できる人が、外した後で瞬間的に正しい音程に修正しようとする際、精密採点システムがそれを「しゃくり」と判断し、大量のカウントが発生すると考えられます。
また、リズムが速い楽曲で音程の切り替わりが激しい場合も、音程が外れやすくなり、合わない音を無理やり元に戻そうとするタイミングで意図しないしゃくりが出やすくなります。
自己流で「感情を込めているつもり」が技術的なミスになるメカニズム
しゃくりは、音と音をつなげることで「柔らかい響きになり、動きが出て表現力に幅が生まれる」技術です。しかし、これを感情に任せて多用すると、技術的なミスにつながります。
しゃくりは、あえて音を下げてから本来の音程に戻す技術であるため、何度も使うと全体的に音が外れて聞こえたり、音を探りながら歌っている印象を与えたりするというデメリットがあります。
特に「声帯筋(喉の筋肉)が強く働いている」場合、発声のバランスが悪くなり、音程を取るときに低く出やすくなります。この結果、無意識に音程を上に持ち上げようとして、しゃくりが入りやすくなるというメカニズムが生じます。

【歌手別】しゃくりが多いと有名なアーティストから学ぶ「良いしゃくり」「悪いしゃくり」の違い
しゃくりを多用していても「上手い」と評価される歌手は、そのテクニックを意図的に、かつ効果的に使っています。
データベースでは、しゃくりを多用するアーティストとして、福山雅治さん、宇多田ヒカルさん、レミオロメンさん(粉雪)、GLAYさん(HOWEVER)などの名前が挙げられています。
| 歌手名 | 曲名(しゃくり回数) | 学べる「良いしゃくり」の要素 | 
| 宇多田ヒカルさん | 「光」(50回以上) | 叙情性や独特な世界観を表現するための、個性的な歌唱表現。 | 
| 福山雅治さん | 「桜坂」など | しゃくりらしいしゃくりでありながら、曲に柔らかい響きと個性を与えている。 | 
| あいみょんさん | 「メリーゴーランド」 | 小さなしゃくり(半音下からサラッと上がる)で、曲に自然な抑揚を与えている。 | 
「悪いしゃくり」とは、これらのプロの技術のように感情や表現を豊かにするためではなく、「音程をごまかすため」「無意識の癖で入ってしまうため」に使われているしゃくりのことを指します。上手い人は、曲の雰囲気を考えてしゃくりを使い分けているのです。
しゃくり・こぶし・ビブラートの違いを理解する:歌唱テクニックの基礎知識
しゃくりを正しく使いこなすには、他の歌唱テクニックとの違いを正確に理解することが不可欠です。
「しゃくり」とは具体的にどんな技術?定義と正しい使い方を解説
「しゃくり」とは、ある音を出すときに、あえて本来の音程よりも低い音からスタートし、すばやく元の音にずり上げるテクニックです。
- イメージ:「えぇっ?⤴」と言ったときの音程の動きに近く、低い音程からすばやく本来の音程に戻す技術です。
- 効果:歌に抑揚が生まれ、音と音をつなげることで柔らかい響きになり、表情豊かな個性のある歌になります。また、カラオケ採点では加点対象となりやすいです。
- 出し方:しゃくりを入れたい音を子音と母音に分け、低い音程で子音、本来の音程で母音をなめらかに繋げて発声します。
「こぶし」とは何か?しゃくりと混同されやすい歌唱テクニックの区別
しゃくりと並び、採点システムの表現力ポイントに含まれる「こぶし」は、明確に異なる技術です。
| テクニック | 概要 | イメージ | 
| しゃくり | 低い音程からすばやく本来の音程に戻す技術 | 音を出す瞬間に音程が上向きに「グイッ」と動く | 
| こぶし | 音を一瞬だけ上下させたり、うねらせたりする技術 | 「あなぁ↑ぁ↓たー」と歌うように、伸ばす音の途中で音程が細かく動く | 
| ビブラート | 声を伸ばす場所で、音を小刻みに揺らせる技術 | 一定時間音程と音量を保ちながら、音を「あ~~~」と波打たせる | 
| フォール | 音を伸ばしたとき、本来の音程からなめらかに下げる技術 | しゃくりの反対で、音程が下向きに「スーッ」と動く | 
これらのテクニックを使い分けることで、歌に多様な表情が生まれ、個性的に仕上がります。
なぜ「しゃくりはいいの?」と聞かれるのか?テクニックの必要性と重要性
しゃくりは、使わなくても歌は歌えますが、あえて取り入れるメリットがあるため「いいの?」という質問が生まれます。
その必要性と重要性は、以下の点にあります。
- 表現力の付与:本来の音程どおりに歌うだけでは一本調子で硬い雰囲気になりがちですが、しゃくりを入れることで動きが生まれ、感情を乗せて歌いやすくなります。
- 加点対象:カラオケ採点機能でうまくしゃくりを入れると、表現力が高いと判定され、高得点が狙いやすくなります。
ただし、多用するとくどくなる、音程が取れていないと聞こえるというデメリットがあるため、無闇に多用するのではなく、ポイントを絞って使うことが非常に重要です。

カラオケでしゃくりが多い癖を直す具体的な練習法と改善策
無意識のしゃくりを直すには、その原因である「不安定な音程」や「発声の癖」を根本から改善する必要があります。
しゃくりが多い人がまず取り組むべき「安定した音程」の練習
しゃくりが多い原因が「音程を探るクセ」にある場合、まずは正しい音程を正確に把握し、そのまま出せるようにすることが最優先です。
- 正しい音程の確認:歌う前に、その曲の正しい音程をしっかり把握し、楽譜やピアノの音で確かめましょう。
- 音程の即時修正練習:歌声をスマホなどで録音し、しゃくりが発生している箇所を分析します。無意識に出ているしゃくりの傾向(どの音程で出やすいか、歌い出しで出やすいかなど)を捉え、その音を探らずに一発で出す練習を繰り返し行います。
- 基礎曲での練習:ゆったりしたテンポの童謡(「チューリップ」「ぞうさん」など)を選び、低い音から本来の音程に戻れているかを確認しながら、しゃくりを一切入れずに歌う練習を積むことで、音程の安定性を高めます。
しゃくりを適切な回数に減らすための「呼吸法と発声」のトレーニング
しゃくりが多くなる原因の一つである「声帯筋(喉の筋肉)が強く働いている」状態を改善し、安定した発声を目指します。
- 輪状甲状筋のトレーニング:声帯のバランスを整えるために、喉の筋肉である**輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)**を鍛えるのがおすすめです。輪状甲状筋がしっかり動くと声帯が緩み、高い音が出やすくなります。具体的には、低音で裏声を出す練習が有効です。
- 声量コントロールの安定化:声量が安定しない人は、腹式呼吸を意識し、しっかり息を出しながら歌う練習に取り組みましょう。声量の安定は、発声のバランスを整え、意図しないしゃくりを減らすのに役立ちます。
「どのタイミングでしゃくりを入れるか」を意図的にコントロールする練習方法
無意識のしゃくりを減らしたら、次は「上手なしゃくり」を意図的に入れる練習に移行します。
- プロの歌い方の真似:しゃくりを効果的に使っているプロの歌手(福山雅治さん、aikoさん、絢香さんなど)の曲を繰り返し聞き、どのフレーズの、どの音に、どれくらいの深さでしゃくりを入れているかを完璧に真似て歌います。これにより、しゃくりを入れるべきポイントの感覚が養われます。
- ポイントを絞る:しゃくりは多用せず、1曲の中で強調したい部分や盛り上がる部分に絞って入れるように意識します。しゃくりが上手い人は、フレーズのはじめに入れている傾向があるので、初心者もここから練習すると良いでしょう。
【採点機能の活用】しゃくり回数と点数の変動をチェックする効果的な練習手順
カラオケの採点システムは、しゃくりの客観的なフィードバックを得るための強力なツールです。
- しゃくりマークのチェック:カラオケの採点システム(ライブダムなど)では、しゃくりが入るとマークがつきます。まずは、しゃくりを入れたい場所でマークがつくか、また意図せずマークがついた場所がないかをチェックしましょう。
- 回数制限の意識:しゃくりを上手く使いこなすコツの一つは「多用しすぎない」ことです。採点攻略のためには、1曲につき15回程度のしゃくりを目指し、それを超えても点数が上がらないことを確認し、適度な回数を守る訓練をします。
- 減点されないか確認:しゃくりを入れてみて、かえって「音程」が不安定と判定され減点されていないかをチェックします。すばやく、なめらかにしゃくりを入れられているかを確認しましょう。
【総括】「しゃくりが多い=下手」から脱却し、歌唱力を上げるロードマップ
「しゃくりが多い=下手」という評価から脱却し、歌唱力を向上させるためには、技術の修正と意識改革の両方が必要です。
歌唱力を向上させるための練習計画と日々のルーティン
上達へのロードマップは、以下のステップで進めるのが効果的です。
- 【基礎固め】:まず、正しい音程を把握し、音程を探る癖をなくす練習を徹底します。低音で裏声を出すなど、発声バランスを整えるトレーニングを取り入れます。
- 【癖の修正】:自分の歌声を録音し、無意識に出るしゃくりを特定し、その回数を意図的に減らすことに集中します。
- 【表現力の習得】:意図的にしゃくりを入れる「場所」「深さ」「スピード」をプロの歌から学び、1曲15回程度の適度な回数でコントロールする練習に移行します。
しゃくりは比較的簡単にマスターできる技術ですが、癖として定着すると直すのが難しいため、プロの指導を受けることも効率的な選択肢の一つです。
自己評価と他者評価のギャップを埋めるための客観的なフィードバックの得方
歌唱力の上達には、自分を客観的に評価することが不可欠です。
- カラオケ採点システム:しゃくりや音程のズレなど、技術的な要素を数値で客観的に評価できます。特に採点の詳細画面で、しゃくりマークと音程バーを確認しましょう。
- 歌声の録音:自分の歌声を録音し、無意識のしゃくりや音程のズレを「意識的に」分析します。これは、自分の問題を客観的に捉える至難の業を助ける手段です。
- プロの指導:独力での修正が難しい場合、無料体験レッスンなどを利用して、自分の性格に適したボイストレーナーに客観的な問題点を指導してもらうのが、最も効率的で効果を出す方法です。

次のカラオケで実践できる!歌を聴かせるための意識改革
しゃくりを「ごまかし」や「癖」として使うのをやめ、**「表現のためのツール」**として意識することが、歌を聴かせるための第一歩です。
- 多用を避ける:「しゃくりを上手に出せるようになると多用したくなる」という衝動を抑え、1曲を通してくどい印象を与えないように適度な回数に絞ることを意識します。
- 歌詞の強調:強調したい歌詞の部分や、曲の中で大事なキーワードになる歌詞の部分など、「ここぞ」というポイントでしゃくりを入れることで、感情を込めた歌い方に変えることができます。
- 曲の雰囲気に合わせる:疾走感のある曲、けだるい雰囲気の曲など、曲の雰囲気を考えてしゃくりを使い分けることで、周りを引きつける魅力的な歌い方になります。
これらのロードマップを実行することで、あなたは「しゃくりが多い=下手」という評価から脱却し、周りから「歌が上手い」と認められる歌唱力を手に入れることができるでしょう。
カラオケでしゃくりが多いと下手なのか?まとめ
- しゃくりが多いと「くどい」と評価されがちである。
- 過剰なしゃくりは採点機で減点の原因になる。
- しゃくり50回はプロでも使う回数だが多用は禁物だ。
- 採点攻略の目安は1曲につき15回から20回である。
- 音程を探る癖がしゃくりが多くなる主な原因だ。
- 無意識のしゃくりは音程修正のミスである。
- 輪状甲状筋の低音裏声練習が癖の改善に有効だ。
- しゃくりは表現力の一つで採点の加点対象となる。
- しゃくりは強調したい部分に絞って使うべきである。
- 録音や採点で客観的なフィードバックを得るのが重要だ。

 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			
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